溺れる鈴木

毎日に溺れている。明るく楽しく。

sing,sing,sing

昨日まで体調がひどく悪かった。

悪夢、ふたたび。吐き気と下痢が交互に襲いかかってくる、例のアレ(ノロウイルス)か、と思いきや、1日程度で収まったのでそこまでひどいものではなかったようだ。

 

しかし昨日は散々だった。ここからは汚い話になるので注意されたし。

朝からほぼ水のような大便を現場のトイレで巻き散らかし、後の迷惑にならんように綺麗に掃除し、仕事に戻り、下を向いた瞬間に吐き気をもよおし、トイレに駆け込み、自分から発せられたはずの汚物のにほひでダムが決壊し、酸性の汚物を巻き散らかし、掃除をし、仕事に戻り、腹痛を感じ、、、とここからは無限ループになるのだが。

 

絶望ってのはこういうことなんだろうな、とすっかり意気消沈しているところに、塗料が顔に落ちてきて、某ジブ○作品に出てくる、山犬の姫のような、中途半端な隈取りのような状態になってしまった。

 

ここまでツラい状態は滅多にない、寧ろレアな状況を楽しもう、と自分に言い聞かせ、勢いまかせにエイヤ、と16kgの塗料が入った一斗缶を持ち上げたところ、尻の辺りと、みぞおちに強いエネルギー反応を感じ、俺はその場に崩れ落ちたのだった。

そのままトイレに直行し、その後もいったり来たりを繰返し、心ない人が給料泥棒などと罵声を浴びせてきたような気もするが、そんな輩に一瞥をくれて、俺は颯爽とトイレに帰っていくのであった。

何度もトイレから鬼気迫る表情で這い出てくる俺を見て、現場監督はさぞ恐ろしかったろう。なにせ、顔は隈取り、目は血走り、半ば執り憑かれたような様相で、仕事を続けるこの男は一体何者なのか、食うに困って低賃金でこき使われている半畜野郎なのではなかろうか。可哀想だから昼飯でも奢ってやろうか、などと思っていたかもしれない。

 

そんなことより、俺は1日を生きるのに必死だった。

 

宿に戻り、飯も食わず、ただただ水分を取り、眠り、翌日には嘘のように元気になった。

 

塗装屋にはどうしても「待ち」の時間がある。ただの体調崩した話をここまで長く伸ばす位の暇が、ある。

 

最後まで読んでくれた人が健康でありますように。